ソーシャルレンディング事業者に対する金融庁からの行政処分

ソーシャルレンディングは企業への貸付金に対する出資というシステムから、ソーシャルレンディング事業者の資質が運営に大きく影響します。実は過去に、悪質な運営をしていたソーシャルレンディング事業者が、金融庁から行政処分を受けるという事件がいくつかありました。 ●行政処分を受けるソーシャルレンディング事業者の行為 以下などの行為や状態が行政処分の対象になります。 ・担保が無いにも関わらず、貸付金が保全されているような誤解を与える表示をする。 ・出資金の償還原資を他のファンドの出資金から充当させる。 ・事業者の代表者が出資金を自身の借入や、借入金の返済に利用する。 ・ファンドの出資金をグループ会社の事業資金に充当する。 ・正規の不動産鑑定を受けていないのに不動産価格を公表し、担保の評価に対して誤解を与える表示をする。 ・投資家に公表している資金の使途と、実際の融資先における資金の使途が違っているのに貸付を継続する。 ・WEBサイトに記載されている融資先企業が実在しない。 ・ファンドの資金が流出しており、ファンドの運用に対する管理態勢が構築されていない。 ●実際に行政処分を受けたソーシャルレンディング事業者の事例 実際に、金融庁から行政処分を受けたソーシャルレンディング事業者には以下の事業者があります。 1.M社 M社は第二種金融商品取引業の未登録事業者に、ソーシャルレンディング用のプラットフォーム(ファンドの運営システム)を提供していました。M社が募集業務を代行することで、未登録の事業者でも資金の募集が可能になっていました。M社はプラットフォーム利用事業者の運用実態を把握できておらず、それが虚偽の内容によるファンドの募集に繋がりました。 2.L社 L社の主な融資先は、L社の社長の親族が経営する不動産会社になっていました。その会社の財務諸表は虚偽のデータになっており、破綻寸前の状況でしたが、貸付を継続していました。また、全案件に担保として不動産が設定されていましたが、担保の価値は不動産鑑定士による正規の評価ではなく、自社が勝手に評価していました。そのため、貸倒れの際、投資家には出資金の3割程度しか償還されませんでした。 3.MC社 MC社は投資家から集めた資金を、MC社の社長の個人的な借金の返済に充当させていました。WEBサイトには、担保として不動産や有価証券の記載がありましたが、そのような事実はありませんでした。投資家への配当金や出資金の償還は他のファンドから流用するという、自転車操業になっていました。また、債務超過の企業に対しても追加の貸付を行っており、あまりにも劣悪な運用であったため、投資家から訴訟を起こされました。